Kiss掲載『IS〜男でも女でもない性〜』主演福田沙紀さんインタビュー

講談社Kiss掲載『IS〜男でも女でもない性〜』主演福田沙紀さんインタビュー

―今回、「IS]のひとり、星野春という役を演じられるわけですが。
【福田】(中略)でも、春がすべてイコールISというわけじゃない。あくまで「春のケース」であると。だからドラマをやる上ですごく難しいなって思ったのが、「これがイコールISですよ」っていうのとは違うって。ほんとにISでもいろんな人がいる。私は春という役を演じていく中で「春のケース」を伝えるんですけど、ドラマの中でも、ISだけど春とは違うタイプの人が出てきたりしますし。ドラマを観た人の中には「ISってイコールこういうことなのかなあ」と思われてしまうこともあると思うんですよ。けど、そういうわけではないので、その部分には気を遣って、というか変な誤解されないようにしっかり伝えられたらいいなって考えています。
―春の場合、自分では「男」と思っていて、でも身体はどんどん「女性化」していって、さらに難しいのは男性を好きになるという設定です。演じる上でそのへんはいかがですか?
【福田】それはISだからってこととは関係なく、男性でも同じ男性を好きになる人はいるし、女性でも女性が好きっていう人もいるから。わたしの中では「ISだから」っていうような、言葉での否定はしないように考えているんです。漫画を読んで、春の場合はほんとに理想的すぎるくらい素敵な家族の中で育ってる子ですよね。ISである春を家族がそのまましっかり受け止めてるし、ISだからって否定しないようにしてる。「ISの春」っていうよりかは「春!」って見てる感じで。確かに、傍から見ればISであることに変わりはないですよね。でも、やっぱり自分の子どもと変わらないわけで、そういうまっすぐな愛情を受けて育った春っていうのをうまく演じられたらいいなって思っていますしね。

ドラマ見ててなんだかなあと思うことがいっぱいで、原作にあたってみたり、雑誌見たりしてたんだけど、ちゃんとこういうこと言ってたんだね。言わされ感満載なところがムンムンしてて、女優さんも大変だなあと思いました。でも、残念ながら、何も知らずにこのドラマを観た人は、「IS=春」みたいに思っちゃうよね。ドラマの内容もそこまで気を遣っているように思えない。
多分春のケースは真性半陰陽のケースなのだろうけど、真性半陰陽だからって同性を好きになるわけじゃない。
私も真性半陰陽の体で生まれたけど、自分が女であることは疑ったことがないし、でも、女性が好きになる場合もあるよ。
だからと言って、では真性半陰陽の人が全員同性愛なのかというと、そうじゃないのね。
それに私は、自分が女性を好きになることと、自分のこの体とは切り離して考えている。それは、じっと自分のことを見つめていると、どうしてもこの体のことで自分が女性を好きになるようになっているとはどうも思えないし、他の同じような体を持つ人が、全員同性愛ではないんだから、客観的にもこの体で性指向が決まるわけでもなさそう。それに、私は同じような体を持つ人に、変な誤解を与えたくないよ。(当事者の中には、自分の体験が、こういう体を持つ人の体験のすべてだって思い違いしてる人もいるみたいだけどね。気持ちわからなくもないけど、ジコチュウすぎだと思う)

それに「アイエス」ってなんでしょうね??いつからそう呼ぶようになったんだろ。ドラマの中でも「アイエス」「アイエス」ってうるさいほど出てきたけど、「インターセックス」を使わないからそうなったのかな。私は女だから「インターセックス」なんてものじゃないし、ましてや「アイエス」なんて呼び名も使わない。(なんだか「AC」とかなんとかみたいに気持ち悪い。自分のこと略語で話すなんて、話せると思うなんて信じられない。)どちらも違和感満載。私は自分の体のことは「こういう体」と言っています。「真性半陰陽」も「性分化疾患」も使ってない。他の当事者で使ってる人いるのかもしれないけどね。

なんだか、「誤解を招く意図」がないドラマが、これから誤解を招きまくりそうなので、あくまで私の思うことだけど、ここに書いていこうと思っています。